考えない考え方
人はいろいろ考える。
ほとんどの人がそうだ。
私も考えるほうの人間だ。が、最近考えるのをやめるよう意識しています。
皆さんもよくあると思うのです。例えば、あるタレントの名前がなかなか出てこない。あ、い、う、え、お、か、……と50音順に言ってみてもピンとこない。のど元まで来ているのに出てこない。考えれば考えるほど遠のいて行く気さえする。しまいには疲れて思い出そうとしてたことさえも忘れてしまう。
そのことを何も考えなくなってから数時間あるいは1日、2日経ってまったく関係のない時にポッと出てくる。
何で今さら。どうして、あの時あれだけ考えても出てこなかったのに。なんとも歯がゆい。
こういった、考えてもすぐに求めているものが出てこないときは、アッサリと考えるのをやめることにしました。それでどうなったか。思考からスッと身を引くことでもやもやがなくなり思考の切り替えが早くなりました。そして本当に必要なときに答えが降りてくれるのだと思うようになった。
また、ザワザワと心が苛立ってきたと感じたら客観的に自分のいらだちを確認し、その思考から離れる。すると今まで何も起こっていないかのような感覚になり苛立ちが消えるどころか気持ちが落ち着きます。
何かに迷ったときや考えに行き詰まった時にも一旦その思考から離れるようにします。するとあれほど考えても出てこなかったアイデアがすんなり出てくる。
人はあまりにも多くのことを考えすぎます。その原因は社会や教育によるところが大きいと私は思う。
考えないのは良くない、考えることは良いことだとされています。今の社会の特徴かもしれません。小さいよりも大きく、少ないよりも多く、遅いよりも速く、短いよりも長く、考えないよりも考える。
私は何も考えないほうが良いと言いたいのではありません。仮にいっさい何も考えなければ恐らく現代社会に適応するのは難しいでしょう。要はバランスの問題なのだと思うのです。
考えただけでも気が重くなる、頭痛がするというのは一種の警告なのかもしれません。
何も考えない人よりも考えすぎる人のほうが圧倒的に多いこの世の中、考えない時をもう少し増やしてみてもいいかもしれません。