エネルギーと半分の燃料給油

 時折耳にする、車の燃料節約について

 給油時に燃料を満タンにせずタンク容量の半分ほどに留めるというもの。満タンにすればそれなりに重量がかさむところを半分の量にしてエンジンへの負荷を減らし、燃費を良くしようということだ。

 確かに理屈は通っている。が、それでどの程度の節約になるのだろうか。

 仮に60リットルのタンクの場合。水ならば1リットルあたり約1キログラムだが、燃料の場合はおおむね水よりも比重が軽いため1リットルあたり1キログラムはない。ガソリンの比重は水に対して0.73~0.76ほど。間をとって0.75とすると、ガソリン1リットルあたり750グラム。燃料タンクいっぱいの60リットルの場合は45キログラムになる。

 これを節約のために半分の30リットルにすると22.5キログラムとなる。

 この22.5キログラムの差でどの程度の節約になるのだろうか。車の性能、運転の仕方、路面の状況、気温、タイヤの状態などさまざまな影響があるので単純に数値化は出来ないでしょう。

 ただ、想像してみよう。搭乗者の人数やその体重差、荷物の有無、など。燃料の22.5キログラムの差を気にする値でしょうか。これは人それぞれ価値観や感じ方の違いがあるので決めつけることはできませんが。

 それよりも他に気をつけたほうが良いことがあると思う。例えば、滅多に使わない物を積みっぱなしにしてないでしょうか。余計な装飾はしていませんか。また、余計なお世話かもしれませんが体重は健康的ですか。これらのことを見直すほうが効果的ではありませんか。

 節約することばかりにとらわれて見落としていることもあるのではないでしょうか。

 また、燃料を半分しか入れないということは給油の回数が倍になる。つまりガソリンスタンドに立ち寄る回数が倍になる。この労力、時間、面倒なことへのストレスはどうでもよい、節約のこのを考えると大したことではないと本当に言えるでしょうか。

 半分の給油の効果は微々たるものだと思うのです。もちろん重いよりも軽いほうが良いのは当然ですが、目に見えるエネルギーだけにとらわれず目に見えないエネルギー、自分自身のエネルギーや時間にもっと目を向けてほしいと思うのです。

 ただでさえストレスの多い世の中です。本末転倒とならないように情報や噂に振り回されずストレスフリーなライフワークを心がけたいものです。